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第二小児科(小児循環器・新生児科)

第二小児科(小児循環器新生児科)の紹介

 第二小児科は、小児期発症の心疾患と新生児疾患を対象とする科として1988年に誕生しました。開設当時にはこのような組み合わせの科はなく、新生児集中治療室(NICU)において新生児心臓病の治療を逸早く行っていました。
  NICUは当初より重症患者さんであふれ、30年以上の間、岐阜県西濃地域の新生児医療を一手に引き受けています。また、循環器領域は胸部外科での先天性心臓病の手術が軌道に乗るとともに、胎児から成人に至る先天性心疾患、心筋炎などの後天性心疾患、不整脈など、あらゆる心臓病の診療を行なっています。

基本方針

  • 当院の基本理念に従い、患者中心の医療を行います。
  • 患者さんがいつでも安心して受診できるように努めます。
  • 小児循環器新生児専門科として高度で先進的な医療を行います。

小児循環器科の紹介

 循環器領域は倉石、西原、太田の3人が担当し、週1回森本医師が名古屋大学小児科から来ています。対象疾患は胎児から成人期までの先天性心疾患、胎児から小児期までの不整脈、心筋炎、心筋症、心臓腫瘍、川崎病、そしてそれらの病気を持った患者さんの合併疾患などです。これらは急性期や重い病気に対する集中治療から慢性期の経過観察まで行っています。また、学校心臓検診業務に従事し、精密検査が必要な場合は当科で診療をしています。
  治療については、薬物治療のみならず、血管塞栓、狭窄血管に対する経皮的血管形成やステント留置、経皮的弁形成などのカテーテル治療を行なっています。心不全に対する非薬物治療は臨床工学技士とともに積極的に行い、劇症型心筋炎などの重症心不全に対しては大動脈内バルーンパンピングや対外補助循環などを行って救命し、拡張型心筋症などの心不全に対しては心臓再同期療法や血漿交換療法等を行い、心臓移植の適応がある場合は速やかに移植施設へ搬送をしています。
  それから、小児期発症の不整脈は自然治癒することも多いのですが、成人期まで続いた場合は循環器内科に移行して、カテーテル治療などを行っています。QT延長症候群などの遺伝性不整脈も内服治療を要する場合が増えてきましたが、これらの病気の遺伝子検査についてもご相談ください。
  私たちは、心臓病を持ったお子さんが危険な運動をしたり、過剰な制限がされたりしないよう、運動負荷心電図検査や24時間心電図検査(ホルター心電図)、心エコー、血液検査などを組み合わせて、きめ細やかな管理を行っています。できる限り安全で快適な生活が送れるよう、医学の進歩を地域に還元しながら、お手伝いをしていきます。

胎児心臓超音波検査(胎児心エコー検査)

 当科では週1回産科外来で行っています。心エコー装置と技術の進歩に伴い胎児心エコー検査実施件数が増加し、当院NICUに入院する新生児心疾患の患者さんの多くは胎児心エコーで診断がされるようになりました。また、胎児診断例は左心低形成症候群、単心室などの重症例が多く、当院産科と協力してお産に立会い、出生直後から治療を開始して治療成績向上に努めています。

小児循環器専門施設

 当科は、日本小児循環器学会により小児循環器専門医養成のための修練施設として認可されています。

スタッフ紹介

倉石 建治
倉石建治 第二小児科医長
役職 主任部長
卒業大学名
医師免許取得年
北海道大学
1992年
専門医資格(その他)

日本小児科学会
日本小児循環器学会
PALSプロバイダー
日本スポーツ協会公認スポーツドクター

専門分野 小児循環器
西原 栄起
西原栄起 第二小児科医長
役職 部長
卒業大学名
医師免許取得年
東邦大学
1997年
専門医資格(その他) 日本小児科学会
日本小児循環器学会
PALSプロバイダー
専門分野 小児循環器
太田 宇哉
太田宇哉 第二小児科医員
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
愛知医科大学
2004年
専門医資格(その他) 日本小児科学会
日本小児循環器学会
ACLSインストラクター
PALSプロバイダー
胎児心エコー認証医
専門分野 小児循環器

診療実績

 発足以来当科で行った心臓カテーテル検査・治療は2000例を超えていますが、近年は診断カテーテル検査が3次元CTで代替されるようになり減少し、カテーテル治療の割合が増加してきています。カテーテル治療対象者の年齢は生後0日の新生児から70歳代の高齢者まで広範囲にわたり、バルーン弁形成やバルーン血管形成、Fontan型手術前の側副動脈コイル塞栓術など日常的に行われています。

カテーテル検査・治療件数(最近5年間)
2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
心臓カテーテル 27 24 35 44 46
カテーテル治療(合計) 5 3 8 14 10
 バルーン弁形成術 2 0 1 2 1
 バルーン血管形成術 2 1 1 4 2
 心房中隔欠損拡大術 0 0 0 0 2
 動脈管塞栓術(ADO含む) 0 0 1 2 1
 体肺側副動脈・短絡静脈塞栓術 1 2 5 6 4
 ステント留置 0 0 0 0 0
カテーテル検査・治療 疾患別のべ人数(最近5年間)
2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
心室中隔欠損症 7 10 7 5 7
心房中隔欠損症 5 2 3 4 1
単心室群 フォンタン手術後 1 6 11 8 8
ファロー四徴 4 1 0 4 4
房室中隔欠損症 1 1 3 3 5
肺動脈狭窄・肺動脈弁狭窄 1 0 1 3 1
動脈管開存 1 0 1 3 1
完全大血管転位 0 0 2 1 6
修正大血管転位 0 0 1 1 0
大動脈縮窄症・大動脈弓離断症 0 3 1 1 1
純型肺動脈閉鎖 1 0 0 0 0
両大血管右室起始症 0 0 0 1 1
左心低形成症候群 0 0 0 0 1
大動脈弁狭窄・大動脈弁上狭窄 1 1 1 1 0
総肺静脈還流異常・部分肺静脈還流異常 1 0 0 1 4
総動脈幹症 1 0 1 1 2
川崎病後 2 0 1 2 3
その他 1 0 2 5 1

学会発表

2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
国内学会・研究会発表 4 3 1 4 7
論文 0 0 0 0 0

新生児科の紹介

 大垣市民病院新生児集中治療室(NICU)は約40万人を有する岐阜県西濃医療圏において、新生児医療を行う唯一の施設です。病院内の産科で出生した赤ちゃんだけでなく、西濃地域の産科施設からの赤ちゃんの救急搬送依頼に対して、ドクターカーを使用して24時間体制で対応しています。産科と協力して、母子ともに出産に伴う搬送依頼には原則必ず応じており、西濃地域で安心して出産できるように努めています。
  軽症から超重症までほぼすべての新生児疾患に対応でき、低出生体重児、先天性心疾患、新生児呼吸障害などを中心に年間約200名が入院します。2020年4月より小児外科の常勤医が不在となったため、出生してすぐに手術が必要となる新生児外科疾患については、我々が責任を持って手術ができる施設へ搬送させて頂きます。
  少子化傾向の中、早く小さく生まれる赤ちゃんの割合は近年増加傾向であり、NICUでの集中治療を要します。人工呼吸管理や経静脈栄養などの標準的な早産児の治療に加え、呼吸窮迫症候群に対するINSURE法を年間10例程度行っています。新生児医療の進歩と共に、ほとんどの赤ちゃんが元気に成長し、ご両親のもとに退院していきます。退院後も赤ちゃんが健やかに成長する姿を外来で見守り、風邪などの気道感染症に罹患した際にも当科で親身に対応するように心がけています。

スタッフ紹介

伊藤 美春
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2003年
専門医資格(その他) 日本小児科学会専門医・指導医
日本周産期・新生児医学会専門医・暫定指導医
新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
出生前コンサルト小児科医
専門分野 新生児
浅田 英之
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
三重大学
2005年
専門医資格(その他)
専門分野 新生児
田中 亮
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
2008年
専門医資格(その他) 日本小児科学会専門医
新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
専門分野 新生児
落合 加奈代
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
岐阜大学
2009年
専門医資格(その他) 日本小児科学会専門医
日本周産期・新生児医学会専門医
出生前コンサルト小児科医
専門分野 新生児
橋本 佑樹
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
三重大学
2013年
専門医資格(その他) 日本小児科学会専門医
日本周産期・新生児医学会専門医
新生児蘇生法「専門」コースインストラクター
出生前コンサルト小児科医
専門分野 新生児

診療実績

 新生児集中治療室入院患者の内訳と診療成績を示します。

新生児集中治療室退院時主病名
2022年 2021年 2020年 2019年 2018年
低出生体重児・早産児 109 118 85 101 113
(そのうち極低出生体重児)
<出生体重が1000-1499g>
10 11 15 14 16
(そのうち超低出生体重児)
<出生体重が1000g未満>
9 5 7 5 13
先天性心疾患・不整脈 11 7 2 8 6
先天異常(心疾患を除く) 10 10 8 9 10
感染症(疑い例を含む) 2 1 6 4 6
呼吸障害 38 30 24 24 27
無呼吸発作 4 4 7 3 9
新生児仮死 1 2 1 2 7
高ビリルビン血症 20 20 25 14 17
初期嘔吐・新生児メレナ 9 9 13 12 9
その他 35 16 11 6 13
上記のうち新生児搬送 58 52 59 45 54
上記のうち人工呼吸管理 33 29 25 21 50

 新生児科が主に取り組んでいる早産・低出生体重児の治療成績は良好で、2018年から2021年の4年間に入院した先天異常のない赤ちゃんの生存退院率は、出生体重1,000g未満で93、3%、1,000~1,499gで98、2%でした。救命はもちろんのこと、赤ちゃんの健やかな成長発達を目指して日々診療に励んでいます。

学会発表

2022年 2021年 2020年 2019年 2018年
国内学会・研究会発表 3 0 0 12 7
論文 0 1 0 2 1

外来活動

  • 無事に退院された赤ちゃんがどのように成長されているかをフォローアップ外来にて定期的に診察しています。
  • 感染症などの病気の際にも新生児科が診察し、ご家族の不安にも迅速に対応できるように心がけています。
  • 病気をもったお子様の生活をより良くすべく、ご家族のご協力を得ながら在宅医療を支援しています。
  • 当院にて出生した赤ちゃんの1ヶ月健診を毎週火曜日午後に予約制にて行っています。
  • 流行季にはRSウイルスに対する抗体注射を毎週火曜日午後に予約制にて行っています。

周産期新生児専門医研修施設

 日本周産期・新生児医学会における周産期新生児専門医育成のための基幹研修施設として認定されており、専門医を目指す研修を行うことができます。1