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呼吸器内科

呼吸器内科の紹介

 人間の胸には肋骨に守られて心臓と肺があります。この肺と肺を被う胸膜、そして肺と口や鼻を結ぶ気管、気管支に生じる病気を診るのが呼吸器内科医の仕事です。主な病気として、急性気管支炎、肺炎、結核、胸膜炎などの炎症性疾患、肺癌、胸膜中皮腫などの腫瘍性疾患、気管支喘息を代表とするアレルギー性疾患、COPD、間質性肺炎など呼吸不全を来す疾患、さらに肺自体には異常を認めない睡眠時無呼吸症候群や、新たに疾患として認められたニコチン依存症など様々な種類の疾患があげられます。当科ではこれら全ての疾患に対し、呼吸器専門医・気管支鏡専門医・アレルギー専門医による診療ができるよう体制を整えています。

基本方針

  • 当院の基本理念に従い、患者さん中心の医療・良質な医療の提供を行います。
  • 診断から治療、緩和まで一貫した診療を目指し、また病診・病病連携を図ることで、患者・家族の希望に添った対応ができるよう努力しています。
  • 院内各科・各部門との連携も密にし、安全に診療が行われるよう努力しています。

スタッフ紹介

安藤 守秀
安藤守秀 呼吸器科医長
役職 副院長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
1986年
専門医資格(その他) 日本内科学会
専門分野 呼吸リハビリテーション
安部 崇
安部 崇 呼吸器科医長
役職 部長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
1994年
専門医資格(その他) 日本内科学会
日本呼吸器学会
日本アレルギー学会
日本臨床腫瘍学会
専門分野 呼吸器悪性腫瘍
がん緩和医療
成人気管支喘息
呼吸器感染症
中島 治典
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2000年
専門医資格(その他) 日本呼吸器学会
日本内科学会
日本アレルギー学会
日本呼吸器内視鏡学会
日本緩和医療学会緩和医療認定医
専門分野 呼吸器悪性腫瘍
緩和ケア
気管支鏡下治療
加賀城 美智子
役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
2007年
専門医資格(その他) 日本呼吸器学会
日本内科学会
日本呼吸器内視鏡学会
専門分野
堀 翔
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役職 医長
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2011年
専門医資格(その他) 日本呼吸器内視鏡学会
専門分野
浅岡 るう
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋市立大学
2018年
専門医資格(その他) 日本内科学会
専門分野
都島 悠佑
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2018年
専門医資格(その他) 日本内科学会
専門分野
磯部 知宏
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
愛知医科大学
2021年
専門医資格(その他)
専門分野
太田 剛史
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役職 医員
卒業大学名
医師免許取得年
名古屋大学
2022年
専門医資格(その他)
専門分野

手術症例

診療実績

 当科では一日平均約130人の外来患者を診察し、うち初診患者は約10~20人です。
病床数は、一般病床70床と結核病床40床となっており、一般病床は1年を通じてほぼ常に満床の状態です。

2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
入院総数 1692 1573 1480 1377 1527
呼吸器悪性腫瘍 470 451 216 496 535
呼吸器悪性腫瘍(化学療法) 210 216 193 211 256
呼吸器感染症(肺炎など) 583 517 542 479 410
COPD 103 75 61 100 144
気管支喘息 46 33 31 22 79
びまん性肺疾患 147 144 147 162 130
気胸 117 78 92 92 96
肺結核 20 26 26 18 17
睡眠時無呼吸症候群(ポリソムノグラフィー) 19 31 32 43 29
気管支鏡検査 503 469 567 552 558
経皮肺生検 25 25 31 24 26
局所麻酔下胸腔鏡検査 17 16 10 17 14
呼吸器インターベンション
(硬性鏡気管支鏡を用いたもの)
15
(6)
7
(4)
9
(2)
9
(6)
17
(12)

学会発表

2023年 2022年 2021年 2020年 2019年
国内学会発表 8 8 7 7 10
国際学会発表 0 0 0 0 0
論文(原著含む) 1 1 1 1 3

代表的な疾患に対する取り組み

肺癌

 インフォームドコンセントに関するアンケートを実施しておりますが、現在ではご本人に病名を告知し、充分なご理解を頂いて診療を行うことを原則としています。
胸部単純X線検査でわかる肺癌については通常の気管支鏡下肺生検にて診断をしています。さらに、CT検診にて発見される早期の肺腺癌についてはCTガイド下気管支鏡下肺生検による確定診断を行うことがあります。
また、CTで位置を確認しつつ外から針を刺すCTガイド下針生検も行うことが可能です。さらに、肺癌の診断に有用なPET-CTが導入され、より正確な診断が可能となっています。
肺癌に対する抗癌剤による全身化学療法については、通院治療センターにおける通院治療を主体に行っています。3D照射が可能な放射線治療も行っています。また、肺癌に対する新たな治療戦略に関する知見を得るために、中日本呼吸器疾患研究機構(CJLSG)の研究活動にも協力して臨床研究を行っています。また、緩和ケアチームと連携してできるだけ苦痛を減らす治療を心掛けています。
硬生気管支鏡を用いた気道狭窄に対する処置も行っています。

気管支喘息

 2007年に厚労省から「喘息死ゼロ作戦」が提案され、岐阜県は「喘息対策事業連絡協議会」を立ち上げ、喘息死を減らすために積極的に展開をしています。当院は西濃地域の拠点病院としてこの事業に参加し、これまで以上に喘息管理のための地域連携に努力しています。
気管支喘息の治療で最も大切な薬は吸入ステロイド剤です。吸入方法を再確認しつつ、きちんと吸入して行くことが大切です。当院では「成人気管支喘息教室」を定期的に開催しています。喘息に関する勉強と吸入方法の確認を行っており、当院以外の病院・医院に通院中の喘息患者さんでも参加が可能です。
また、西濃地域の開業薬局を含む薬剤師、開業医師を対象に各種吸入器の吸入方法指導に関する吸入指導勉強会も開催し、処方された吸入薬剤が適正に使用されるよう活動をしています。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

 喫煙が主な原因とされており、今後増加すると考えられている疾患で、咳・痰・身体を動かした時の息切れが主症状となります。進行すると酸素吸入を要することもあります。
当院では、症状を軽減するための呼吸リハビリテーションを行っています。必要があれば在宅酸素療法や在宅人工呼吸療法を導入しています。
呼吸リハビリテーションに関して、安藤部長による「呼吸器教室」も定期的に行っています。

間質性肺炎(びまん性肺疾患)

 原因不明で、進行性の呼吸困難と呼吸不全を呈する肺の炎症性疾患である特発性間質性肺炎を含むびまん性肺疾患については、診断治療に難渋することが多いのが現状です。胸部薄切CT画像診断に加え、必要があれば呼吸器外科医と相談し外科的肺生検(胸腔鏡下肺生検)による病理診断も参考にして治療を行っています。

睡眠時無呼吸症候群

 簡易的な睡眠時無呼吸の検出用器械(アプノモニター)を2日間貸し出し、自宅での睡眠中の呼吸状態をスクリーニングします。この検査で睡眠時無呼吸症候群が疑わしい方には、確定診断のために1泊の入院をして頂き、睡眠ポリグラフ装置(ポリソムノグラフィー)を用いた検査を行います。 確定診断がなされた場合、治療の必要があれば鼻マスク持続陽圧呼吸装置による治療を開始いたします。

禁煙外来

 ニコチン依存症に対する禁煙指導が保険適用となり、現在当院でも禁煙外来を開設しています。毎週金曜日午後からの外来となります。ニコチン代替薬であるパッチ製剤の他、内服の禁煙補助剤チャンピックスも用いつつ禁煙指導を行っています。なお、当院は敷地内全面禁煙となっていますので、建物の中だけでなく、駐車場でも禁煙にご協力をお願いいたします。これは、病院を受診される方の中には気管支が弱い方、妊娠中の方、乳幼児など受動喫煙による影響を受けやすい方が敷地内を歩くことがあるためです。タバコの煙のために症状が悪化することもありますので、是非とも敷地内禁煙にご協力をお願いいたします。
なお、禁煙と健康を考える西美濃の会や医師会の皆さんとともに、2010年から「防煙授業」を行っています。大垣市~西濃地域の中学1年生を対象に、タバコの害について説明をしてゆくことで、タバコの煙のない成人式の開催を目指しています。

呼吸リハビリテーション

 呼吸リハビリテーションに関しては、安藤部長を中心に先進的な取り組みを行っています。
慢性期の呼吸リハビリはもちろん、一般病床に入院された患者に対する急性期呼吸リハビリに加え、救命センターや集中治療室に入室した患者に対する超急性期呼吸リハビリも行っています。超急性期呼吸リハビリのラウンドには呼吸器内科の研修医・医師も参加する体制となっています。

その他

 当院は第2種感染症指定病院となっており、結核患者の入院治療も行っています。

COPD

  1. 病気について
  2. 薬について
  3. 呼吸法について
  4. 運動療法について
  5. 息切れを軽減させる日常生活動作
  6. 食事のとりかたについて
  7. 急性増悪について
  8. 体調の自己管理
  9. 応急処置
  10. 酸素療法について
  11. 非侵襲的陽圧換気(NPPV)療法