-39-し、最先端の知識及び技術を導入するように努めています。外国の一流雑誌への投稿も定期的に行っています。他の科も同様ですが、当院は対象となる患者様の数が多く短期間で多数の臨床例を経験できるため、臨床の実力を付けるには適している病院です。 消化管では上部内視鏡検査は約8,700件、下部内視鏡検査は約4,000件の総数約12,700件(平成29年度)行っています。特にITナイフ(insulated-tipped diathermic knife)を使用した早期胃がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は平成13年から既に開始しております。平成29年には胃133例、食道14例、大腸32例の計179例のESDが行われています。また消化管出血の内視鏡的止血術も時間を問わず行っており、開腹手術に至る例はほとんどありません。止血困難例にはInterventional radiology(IVR)の手技を利用して止血しています。 肝疾患は多くの症例、処置を行うことができる環境にあります。C型肝炎ウイルスは抗ウイルス治療の進歩によりウイルスの陰性化が、B型肝炎は核酸アナログ製剤の使用により病状のコントロールが可能になってきていますが、当院では多数のウイルス性肝炎治療後の患者も経過観察しています。これら治療中でも肝細胞癌の発生を認めるため、MRIや造影エコーなどの検査を積極的に行うことで肝細胞癌の早期発見、血管造影検査やTACE、RFAなどの内科治療も多く行っています。外来ではMR Elastographyなどの肝線維化や脂肪化などの評価を行い、NASH・NAFLDなどの患者に対しても適切な評価や経過観察を行っています。肝疾患以外の、(外傷性)腹腔内出血などの腹腔内IVRについても処置を行えるように対応しています。 胆道系では胆管結石に対して、既に2,000例以上の症例に内視鏡的に乳頭切開術(EST)もしくはバルーン拡張術を行っています。急性膵炎の治療も豊富な症例の蓄積・経験に基づいて集学的治療を行い、致死率の高い重症膵炎の究明に努力しています。また膵・胆道系の悪性腫瘍に対しては、最新の画像診断法を用いることにより体系的かつ合理的に診断、治療を行い、外科とも連携して治療成績の向上に努めています。Ⅷ.指導責任者桐山 勢生(所属長)指導医資格保持者桐山 勢生、谷川 誠、久永 康宏
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