H30年度初期臨床研修プログラム
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-58-谷川誠部長、金森明医長が担当している。常に学会、研究会には参加・発表し、最先端の知識及び技術を導入するように努めている。外国の一流雑誌への投稿も定期的に行っている。他の科も同様であるが、当院は対象となる患者様の数が多く短期間で多数の臨床例を経験できるため、臨床の実力を付けるには適している病院である。 消化管では上部内視鏡検査は約7,500件、下部内視鏡検査は約2,000件の総数約9,500件で、最近では上部及び下部で内視鏡的粘膜切除(EMR)の占める割合が増加している。特にITナイフ(insulated-tipped diathermic knife)を使用した医腫瘍のEMRを早くから取り入れておりその件数は本邦でも500例を越えている。最近では早期食道癌、早期大腸癌にもその対応を広げている。また、緊急内視鏡検査も数多く行い、上部においては内科的に止血可能となってきている。 止血困難例にはInterventional radiology(IVR)の手技を利用して止血している。 肝疾患もきわめて多く、外来では常時慢性肝炎を1,500人、肝硬変を200人、肝細胞癌を300人治療している。C型慢性肝炎に対するインターフェロン治療の経験は1,500例を超えている。同時に、ウイルス肝炎に対する新しい薬剤の治験も多数行っている。また、肝細胞癌も今までに2,500例を超える経験がある。最近ではCT、MRI、造影超音波で経過観察しているため当院で発見される肝細胞癌の大多数は2㎝以下である。IVR-CT(CTと血管造影装置がドッキングしたもの)を用いて正確に診断し、肝切除、ラジオ波焼灼術(RFA)、肝動脈塞栓術(TAE)等を行い、年々予後は改善している。高度進行例ではカテーテルを留置しリザーバーからの動注化学療法を積極的に行っている。 胆道系では総胆管結石に対して、内視鏡的にバルーン拡張術もしくは乳頭切開術を多数行っている。また膵疾患は多数の経験をもとに体系的に診断、治療を行っている。小さな膵癌(2㎝以下)の発見率も増加している。Ⅷ.指導責任者桐山 勢生(所属長)指導医資格保持者桐山 勢生、谷川  誠、久永 康宏Ⅸ.EPOC該当項目研修の評価(行動目標)1.患者―医師関係1)患者、家族のニーズを身体・心理・社会的側面から把握できる。○2)医師、患者・家族がともに納得できる医療を行うためのインフォームドコンセントが実施できる。○3)守秘義務を果たし、プライバシーへの配慮ができる。○2.チーム医療1)指導医や専門医に適切なタイミングでコンサルテーションができる。○2)上級及び同僚医師、他の医療従事者と適切なコミュニケーションがとれる。○3)同僚及び後輩へ教育的配慮ができる。○

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