H30年度初期臨床研修プログラム
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-96-Ⅶ.第2小児科(小児循環器)の紹介 第2小児科(小児循環器新生児科)は、おもに小児循環器領域と新生児領域を対象として1988年に誕生した特殊小児科である。設立当初には他に例を見なかったこの組み合わせの小児科はわが国でも他に散見されるようになった。また、現在ではNICUでの新生児心臓病の治療は標準となったが、大垣市民病院はそのさきがけであった。 循環器領域は倉石部長、西原医長、太田医長、永田医員の4人が担当している。胎児(心疾患・不整脈)から成人(先天性心疾患)までを対象として、急性期集中治療から慢性期の経過観察まで患者さまの病状にあわせたきめ細やかな医療をめざしている。 発足以来当科で行った心臓カテーテル検査は2,000例を越えた(年間約60例)。カテーテル治療、バルーン弁形成やFontan型手術前の側副動脈コイル塞栓術などは日常的に行われている。1998年に岐阜県下では最初に動脈管のコイル塞栓術を手がけ、成人例でも良好な成績を残している。 また、胸部外科と共同で先天性心疾患の手術症例の治療に当たっているが、術中及び術後急性期を除き当科が管理を担当している。特に新生児心臓病の外科治療では東海地方で屈指の成績を残しており、東海地方で2例目の左心低形成症候群Norwood手術生存例はFontan型手術に到達している。さらに総肺静脈還流異常の超低出生体重(1000g未満で出生)の赤ちゃんも手術を終え無事退院されている。 それから、小児不整脈の管理、治療では制限・治療の要否を厳密に検討し、こどもたちに過剰な制限や治療が加えられることなく安全で快適な生活ができるよう指導している。新生児心室頻拍には治療なしで改善する例が少なくないことを発表し全国的に反響を呼んだ。心臓手術の増加に伴い術後不整脈の危険性が指摘されているが、当科では運動負荷心電図や24時間心電図を組み合わせて術後遠隔期にわたってきめ細やかな管理を行っている。また、西濃地域や岐阜県の学校心臓検診業務にも積極的に関わり、地域の保健、教育に大きく貢献している。 胎児心エコー検査の実施件数も年毎に増加し、産科と協力して治療成績の向上に努めている。2009年5月に厚生労働大臣から先進医療の認可を受け(岐阜県では当院を含め2施設のみ)、産婦人科と協力して胎児超音波外来を開設した。(現在では、健康保険適応となっている。) 今後も新生児・小児心臓病や、成人先天性心臓病の治療の進歩を地域に還元し、心臓病のこどもたちが成人期に至るまで安全で快適な生活が可能となるようお手伝いしていく。Ⅷ.指導責任者倉石 建治(所属長)指導医資格保持者倉石 建治、西原 栄起、太田 宇哉

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