ホーム診療科・部門案内画像部門(放射線) > STI 定位的放射線照射

STI 定位的放射線照射

STI HOME.jpg

STI(定位的放射線照射)とは

STIとは、一般的な放射線治療に用いる三次元原体照射よりも高い精度で位置決めを行い、放射線を病巣の形状に正確に一致させ、多方向から狙った病巣に放射線を集中させる治療方法です。小さな病巣に対して一度に多くの放射線を照射するピンポイント放射線治療です。
1回の照射で行う定位手術的照射(Stereotactic Radiosurgery:SRS)と複数回に分割して照射を行う定位放射線治療(Stereotactic Radiotherapy:SRT)に分類されます。

STIの特徴.jpg

STIでは、以下のような効果が得られます。
➣治療効果を高めることができ、放射線治療単独で腫瘍を 
  消失させることも期待できます。
➣副作用を抑えることができます。
➣少ない回数(1回~10回)で治療を終えることができます。
しかし、非常に高い位置精度が必要なため、1回の治療時間が20分~1時間弱と長くかかります。
(通常照射:5分~30分弱)

STIの適応疾患.jpg

当院では現在、主に以下の疾患に対してSTIを行っています。
・脳腫瘍(脳転移など)
・孤立性肺がん
・肝臓がん
なお、肺や肝臓などの体幹部へのSTIの場合には、SBRT(Stereotactic Body Radiation Therapy:体幹部定位放射線治療)と言います。

心肺機能や全身状態の影響で手術ができない患者さんや、手術治療を希望されない患者さんでも適応となります。しかし、STIでは非常に高い位置精度が必要なため、治療時間中に同じ姿勢で体を動かさずに居ることができることが大切です。詳しくは放射線治療科の診察時にご相談ください。

STIを行うための高い位置照合技術

STIでは一般的な放射線治療よりも高い位置精度が求められます。そこで、当院では以下の技術を用いてSTIを行っています。これらにより、頭蓋内で2mm以内、呼吸など動きがある体幹部でも5mm以内の位置精度に保つことができます。

固定具の作成

患者さんの姿勢は日々異なりますので、毎回の治療で位置を正確に再現するために、患者さん専用の固定具を作成します。
固定具には、体を広く包み込むようなクッションやベルト、頭部の場合にはシェルと呼ばれるマスクを用いています。

固定具.jpg

IGRT - ExacTrac

現在の放射線治療ではIGRT(Image-guided radiotherapy:画像誘導放射線治療)という技術が普及しており、照射の直前にX線画像を撮影することで、日々の放射線治療時の位置誤差を補正することができます。
IGRTシステムの一つであるExacTracは、レントゲン画像を撮影して、患者さんの傾きを含めた位置誤差を精度よく補正することができます。

ExacTrac.jpg

IGRT - CBCT

当院でSTIを行う放射線治療装置Novalis TxではCBCT(コーンビームCT)というCT画像を撮影することができます。
CT画像では身体の中の情報(病巣と正常組織の位置)が確認できますので、毎治療時にはExacTracに加えてCBCTでさらに詳細な位置誤差の修正を行い、高精度な治療を可能としています。

CBCT.jpg

➣ 戻る