ホーム診療科・部門案内画像部門(放射線) > 被ばくQ & A

被ばくQ & A

放射線検査について

Q-1 放射線を用いた検査には何があるか?

当院で放射線を用いる検査は、「一般撮影(レントゲン)」、「CT」、「透視」、「血管造影」、「RI(シンチ)」、「PET-CT」の6種類があります。「MRI」、「US(エコー)」は放射線を使用しないため、放射線被ばくはありません。

放射線被ばくについて

Q-2 短期間に繰り返し一般撮影やCTを行っても大丈夫か?

検査で受ける放射線被ばくは"科学的に影響があるかはっきりしない程度の、とても小さな量"ですのでご安心ください。検査をしないことで病気や異常が見つけられなかった場合のリスクの方が遙かに大きく、検査を受けることによるメリットの方が大きいと思われます。

Q-3 X線検査で"がん"になるか?

X線検査で"がん"になる確率は0ではないと言われています。ただし100Gy以下の放射線量ではその影響は証明されておらず、一回の検査で100mGyを超えることはほとんどありません。血管造影などでは部分的に100Gyを超える可能性がありますが、それでも可能性は非常に小さく、治療によるメリットの方が大きくなります。

Q-4 被ばくによる影響にはどのようなものがあるか?

代表的なものだと、皮膚の紅斑、脱毛、不妊、白内障、がんなどが挙げられます。放射線検査で使用する線量では通常は起きることはありません。

Q-5 大人と子供では被ばくの影響に違いはあるか?

同じ線量なら子供の方が被ばくの影響は大きくなります。検査の際は体格に合わせて線量を調整していますので、安心して下さい。

妊娠、胎児被ばくについて

Q-6 将来生まれてくる子供に影響はあるか?

チェルノブイリ、広島・長崎の原爆被爆者データなどから、人間に遺伝的な影響は報告されていません。検査で用いる放射線量はそれらより極めて少ない量です。

Q-7 X線検査による胎児への影響ありますか?

検査の部位が下腹部でなければ問題はありません。下腹部の検査であった場合は、胎児への影響は妊娠の時期によって異なります。ただし、しきい線量 (放射線の影響が1%の人に見られる量) は最小でも100Gyであり、検査で使用する放射線量で100Gyを超えることはほとんどありません。もし検査を受ける場合は、医師や技師にご相談下さい。

Q-8 妊娠に気づかず放射線検査を受けた場合、中絶を考慮すべきか?

放射線検査 (レントゲン、CT、核医学) で使用する放射線量は胎児に影響のある量ではありませんので、中絶する必要はありません。またICRP (国際放射線防護委員会) からもPub.84 (1999) にて"妊娠中絶をするのに100Gy未満の胎児線量を理由にしてはいけない"と勧告されています。

核医学検査の被ばくについて

Q-9 RI、PET-CT検査について放射性物質を投与して危険はないか?

体内に投与する放射性物質は短時間に自然と減衰して無くなるものを使用しています。

さらに使用する量はごく微量であり、目的の臓器に集まった後は尿や便中に排泄されるため、いつまでも身体のなかに蓄積されることはありません。

Q-10 検査後に他者と接触しても大丈夫か?

RI:テクネシウム製剤を使用した検査の場合は、成人に対しては問題ありません。ただし乳幼児とは検査当日の接触(抱っこ・添い寝・入浴など)を避けてください。その他のRI薬品については検査担当者にお尋ねください。

PET-CT:成人であれば特に問題はありません。ただし検査後6時間は、10歳未満の小児や妊婦との接触時間をなるべく少なくしてください。

Q-11 授乳中ですが、乳幼児との接触や授乳はしても大丈夫か。

RI:テクネシウム製剤を使用した検査に関しては12時間以上の授乳停止期間が必要です。その他のRI薬品については検査担当者にお尋ねください。

PET-CT:検査後12時間はなるべく乳幼児との密接な接触を避け、24時間は授乳を停止してください。

放射線被ばく早見図

11.jpg

参考資料

  1. 日本放射線技術学会.医療被ばくQ&A. or.jp
  2. 日本アイソトープ協会.ICRP Publication 84 妊娠と医療放射線. 2002.
  3. 日本核医学学会. 小児核医学検査適正施行のガイドライン 2020.
  4. 日本医学放射線学会.授乳中の女性に対する造影剤投与後の授乳の可否に関する提言.2019