PET/CT検査
PET/CT検査の簡単な説明
この検査はFDGという薬剤を投与(血管注射)し、1時間30分の安静待機の後、15分ほどの撮影を行います。検査は息止めなどの必要はなく、負担の少ない検査です。
2021年11月22日より撮影機械の更新を行い、より高画質な画像を取得できるようになりました。
使用装置
▶ SIEMENS社製 Biograph mCT Flow (バイオグラフ・エムシーティー・フロー)
検査前にお願い
・検査6時間以上前から食事や糖分を含んだ飲料(ジュース等)の摂取を避けてください(糖分を含まない水やお茶は飲んでも問題ありません)。
・検査の前日と当日は運動を控えてください。
・必ず予約時間をお守りください。
(PET/CT検査に使用する薬剤(FDG)は検査時間ごとに合わせて予約し納入します。薬剤の効果(放射能)は2時間経つとほぼ半減し、適切な画像が得られなくなります。)
PET/CT検査の原理
細胞は、エネルギー源としてブドウ糖を必要とします。がん細胞は、正常細胞に比べて増殖が盛んであるため、 エネルギー源であるブドウ糖を3~20倍ほど取り込む性質があります。 そこでブドウ糖によく似たFDG(ブドウ糖の一部に陽電子放出核種であるフッ素[18F]を標識したフルオロデオキシグルコース)という検査薬を注射して、その集まり具合を画像化します。 一度の検査で全身(一般に頭頂部から大腿部)を撮影し、がんの有無を調べる事が出来るのが PET検査の特徴です。 |
PET検査とは、Positron Emission Tomography(陽電子放出断層撮影)の略で、通称ペットと呼ばれています。PET検査の優れた点は、組織やがんの活動状態などの代謝機能を画像化できる点です。 但し、PET検査だけでは、異常箇所の 位置把握が難しいため、現在ではCT検査と組み合わせ、がんの詳細な位置、形、大きさなどの形態画像 情報を同時に得る事ができ、 これにより診断能の向上と一人一人にあわせた最適な治療選択が行う事ができます。
これらの全身PET検査とCT検査を同時に短時間で行う検査装置がPET/CT装置です。但し、非常に小さい病変(早期癌)や肝臓がん、腎臓がん、膀胱などのがん発見の苦手な臓器もあり、 万能な検査ではありません。
PET/CT装置
被ばくに関して
日常生活をする中で、私たちは知らず知らずのうちに放射線を受けています。宇宙から、そして大地から受ける自然放射線による外部被ばくや、食物や空気中のラドン等、自然由来の放射性物質から受ける内部被ばくは、合計すると年間で世界平均では2.4mSv、日本平均では2.1mSvになります。PET/CT検査は10mSv未満と人体にほとんど影響がない被ばく線量で行うことができます。
PET/CT検査の役割
- がんの早期発見
- 腫瘍の存在診断や良性・悪性の鑑別診断
- がんの病期診断
- がんの転移・再発診断
PET/CT検査の流れ
1 来院 PET検査は高価な薬剤を準備しますので、検査予定時間を必ずお守りください。
↓----- 検査受付をし、施設案内、身長・体重・血糖値測定を行います。
2 薬剤注射 検査薬剤(FDG)を投与します。
↓----- 腎機能に問題がなければ、水分摂取(300~500ml)をしてもらいます。
3 安静 FDGが全身に行き渡るまでの約1時間30分、待機・回復室で安静にします。
↓----- 余分なFDGを体外に排出するため、撮影前にお手洗いを済ませます。
4 撮影 PET/CT装置にて、一度に全身(頭頂部から大腿部まで)の撮影を行います。
↓
5 検査終了
検査終了までの時間は2時間から2時間30分ほどかかります。
検査に関する注意点
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他の検査等による指示がなければ、食事、入浴、運動など、普段通りに生活頂いて大丈夫です。
小さなお子様(10歳未満)や妊婦さんが身近にいる場合は、検査終了後6時間は、なるべく接触時間を短くして下さい。