血管造影検査
血管造影室
当院には4つの血管造影室があります。 第1第2血管造影室は心臓(循環器・小児循環器科)を行っています。 第3血管造影室は汎用の装置で、主に頭部、下肢(脳神経外科・循環器科)などあらゆる検査に対応しています。第5血管造影室は腹部血管(消化器科)の検査・治療を行っており、血管造影検査とCT検査の両方を同時に行うことができるIVR-CT装置が設置されています。また中央手術室にはハイブリット手術室という血管造影装置と手術台が一体になった装置もあります。
血管撮影と血管内治療血管撮影とは、血管の中にカテーテルという管を挿入し、造影剤を注入してX線撮影を行い、血管病変、腫瘍等の診断をする検査方法です。 通常、血管はX線で は写らないため、その中にX線に写る物質でできた造影剤を注入して血管の形態や血流状態を連続的に撮影することにより、動脈や静脈などの病変を診断します。 |
使用装置
▶ キヤノンメディカルシステムズ株式会社製 Infinix Celeve-i INFX-8000V/N9
▶ キヤノンメディカルシステムズ株式会社製 Infinix Celeve-i INFX-8000V/JC
▶ キヤノンメディカルシステムズ株式会社製 Infinix Celeve-i INFX-8000V/JT
▶ キヤノンメディカルシステムズ株式会社製 Infinix Celeve-i & Aquilion CX (IVR-CT)
▶ キヤノンメディカルシステムズ株式会社製 Infinix Celeve-i INFX-8000H/N5 (ハイブリッド手術室)
当院で行っている主な血管治療
経皮的冠動脈形成術
狭くなった冠動脈に対して、バルーンやステントで詰まりかかっている動脈を広げる治療です。最近は薬剤が塗布されたステントやバルーンもあり、従来より再狭窄の確立は格段に下がりました。
経皮的カテーテル心筋焼灼術
不整脈治療に対する治療です。カテーテルの先から高周波電流を流し、不整脈の原因となっている心筋(心臓の筋肉)を小さく焼き切ることによって不整脈の治療をします。 焼き切ると聞くと少し恐いイメージがありますが実際には若干熱いと感じる程度で、温度が高くなりすぎる前にセンサーによって電流は遮断されます。(この文は不要かと考えています。)。
下肢動脈インターベンション下肢の動脈の血管内治療のことをいいます。 |
大動脈ステントグラフト内挿術腹部の大動脈瘤に対する血管内治療です。ステントと人口血管が組み合わさった道具を用いて瘤が破裂しないように補強します。 腹部を切開する必要は無く、体にかかる負担はとても少なくなります。 |
コイル塞栓術
脳血管内治療 脳の動脈に瘤(コブのようなもの)ができ、それが破裂すると「くも膜下出血」となります。破れた瘤または未破裂の瘤に対して金属製のコイルを詰め込み、 出血の予防をする治療を行います。
治療前 | コイル | 治療後 |
血栓回収術
脳梗塞の原因となっている血栓を、カテーテルで物理的に掻き出す治療です。主に太い血管に詰まった血栓に適応となります。この「血栓回収療法」により、今までなら手足の麻痺が残っていたような症例も、後遺症なく歩いて帰るというケースも増えてきています。発症から8時間以内が適応時間とされています。
治療前 | 治療後 |
動脈塞栓術
腫瘍を栄養している動脈や出血している動脈を塞栓物質で詰めて治療することです。 腫瘍であれば栄養動脈を詰める、もしくはカテーテルから直接抗癌剤を流すことによって腫瘍の細胞を死滅させます。 また、骨盤骨折などでおなかの中に出血している血管をコイルなどで詰めて止血したりします。主にX線CT装置と一体になった血管造影装置(IVR-CT装置)で検査・治療を行います。
IVR-CT装置 |
肝細胞癌の治療をする場合、治療前に付属のCTを使って腹部の撮影をします。速やかに腫瘍とその腫瘍を栄養する血管との位置情報のわかる3D画像を作成します。血管選択における医師の判断を助け、時間の短縮や不要な被ばくを減らす努力をしています。 |
これは実際の血管造影写真です。 左の写真(治療前)には淡く腫瘍が写っていますが、塞栓物質で血管を遮断した後の右の写真(治療後)には腫瘍は写っていません。 |
血管造影室スタッフより
心臓の動脈が詰まったり(急性心筋梗塞)、動脈が破裂して出血したり(脳動脈瘤破裂など)すると、生命に関わる重篤な状態に陥ります。 こういった場合は 緊急的に血管内治療が必要となります。そのため365日24時間体制で血管造影スタッフはこれらの検査に対応できるようにしています。
何か不安なことがありましたら気軽にスタッフにお申しつけください。
患者さんが安心して検査、治療を受けられるようにスタッフ一同努めて参ります。