IMRT 強度変調放射線治療
IMRT(強度変調放射線治療)とは
IMRTとは、一般的な放射線治療に用いる三次元原体照射の進化形であり、空間的、時間的に不均一な放射線強度を持つ照射ビームを多方向から照射する方法です。
|
不均一な強度の放射線を照射することで、病巣の形が複雑でも、近くに正常組織があっても、病巣に放射線を集中して当てることができます。これにより一般的な放射線治療に比べて、副作用を抑えつつ病巣への効果を高めることが期待できます。 |
|
当院では現在、以下の疾患に対してIMRTを行っています。
・前立腺がん ・頭頚部がん
今後、その他の疾患に対しても適応範囲を拡大できるように準備して参ります。
|
IMRTに特化した最新型放射線治療装置「Halcyon」
当院では2021年3月にバリアン社の最新型放射線治療装置「Halcyon」を導入しました。Halcyonは、2019年3月に日本で第1号機が導入されて以来、中部地方では当院が初めての導入です。この装置はIMRTに特化しており、より高品質なIMRTを短時間で提供することが可能です。
|
|
Halcyonは「高品質なケア」「運用効率の向上」「人にやさしいデザイン」の3つのコンセプトをもとに開発された装置です。 これまでは1回あたり15分程度の時間を要したIMRTが、Halcyonにおいては1回あたり5分程度で終了します。
➣ Halcyonのその他の特徴について |
|
IMRTを支える位置照合技術「IGRT(CBCT)」
|
放射線治療では放射線を正確に病巣へ集中させることが必要です。しかし、患者さんの体型や姿勢は日々異なり、また、ほとんどの病巣は体外から見ることができないことから、従来はその確認が困難でした。そこで、IGRT(Image-guided radiotherapy:画像誘導放射線治療)という技術が普及しました。IGRTでは照射の直前にX線画像を撮影することで、日々の放射線治療時の位置誤差を補正することができます。
当院のIMRTでは、治療の直前に放射線治療機でCT(CBCT;コーンビームCT)を撮影し、病巣と正常組織の位置を確認する方法を採用しています。CTで得られた位置の誤差を毎治療時に修正しますので、高精度な治療が可能です。
|
➣ 戻る