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がん拠点病院として

2005年(平成17年)から地域がん診療連携拠点病院として厚生労働省の指定を受け、がんの診断治療から緩和ケア、がん相談まで、がんを取り巻くあらゆる要望に応じています。院内がん登録件数は岐阜県下でトップクラスであり、胃がん・大腸がん・膵がん・肝がんなどの消化器がんを初めとして、肺がん、前立腺がん、子宮がん、卵巣がんなどの固形がんはもちろん、白血病・リンパ腫などの血液がんでも当院は県内を代表する症例数を誇っています(図1)。 がん治療は現在、分子標的薬を中心とした抗がん剤治療が主軸となっています。もちろん早期のがんは内科医が行う内視鏡治療、さらに外科医が行う腹腔鏡下手術やロボット手術(ダヴィンチ)で完治が期待できます。進行再発がんであっても免疫チェックポイント阻害薬(ICI)などの新規治療薬によって格段に予後は向上しています。また当院には2台の高精度放射線治療器が有り、前立腺がん、乳がん、肺がんなどの治療や、がんによる疼痛の緩和に使用されています。2018年(平成30年)には"がんゲノム医療連携病院"に指定され、名古屋大学(がんゲノム医療中核拠点病院)でのエキスパートパネルの結果を患者・家族に説明し治験(保険収載前の新規治療)を含めた分子標的治療薬の可能性を広めています。こうした取り組みが評価され2020年(令和2年)に厚生労働省から"高度型地域がん診療連携拠点病院"に指定されました。現在は"高度型"のカテゴリーを取りやめていますが、当院は"質""量"ともにがんのハイボリュームセンターとしてこれからも岐阜県のがん治療をサポートしていくつもりです。また当院が行っている患者さんと診療所を繋ぐ"がんのクリニカルパス"の使用量は全国でもトップクラスです。2008年以降常に岐阜県下で最新の"がんのクリニカルパス"を作成して実施してきた歴史があります。入院せずに通院治療センターで抗がん剤治療を受けられる患者さんは年々増加しています(図2、3)。高齢化社会においては高齢者でも適切に抗がん剤治療が受けられるように副作用の管理などは医師・がん専門薬剤師・看護師がチームとして患者さんに対応しています。他院でがんと診断された患者さんもセカンドオピニオンの形で当院の最新医療を相談してみてはいかがでしょうか。

注1:クリニカルパスとは患者さんに各種がんの標準治療法を解りやすい形で冊子にまとめたものです。多くは当院と診療所の医師が連携して患者さんの術後の経過を診るためのツールとして使われます。

注2:がんゲノム医療を受けられる体制を構築するため、全国にがんゲノム医療中核拠点病院を13箇所、がんゲノム医療拠点病院を32箇所指定し、がんゲノム医療連携病院を202箇所公表しています(厚生労働省 令和5年4月1日現在)。岐阜県内には当院を含めて5つの連携病院があります。

注3:がん診療連携拠点病院等の指定を満たすべく以下のとりくみを行っています。 

① 集学的治療等の提供体制及び標準的治療等の提供

② 手術療法、放射線療法、薬物療法の提供体制の特記事項
厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業 (JANIS)へ登録しています。放射線治療器最新の強度変調放射線治療ができる機器を2台所有して患者さんに待ち時間なく提供しています。

③ 緩和ケアの提供体制
定期的な病棟ラウンド及びカンファレンス(西濃緩和ケアカンファレンス)は外部医師、看護師、ケアマネを招いて症例検討を行っています。

④ 地域連携の推進体制
癌のクリニカルパスは県内でも最も早くとりいれ、かつ現在も多くの症例を登録しています。

⑤ セカンドオピニオンに関する体制
各科の専門医が固形がん、血液がんの説明外来を毎日開設しています(別章参照)。

図1 岐阜県内の院内がん登録件数(がん拠点病院)の推移

岐阜県内の院内がん登録件数の推移

図2 通院治療センター外観

大垣市民病院 通院治療センター外観

図3 抗がん剤調剤ロボット(名称:ケモロ)

大垣市民病院 抗がん剤調剤ロボット ケモロ